売り買いは三日待て
売り買いは三日待て
株式の世界ではスピード感が求められます。ネットの普及も手伝って情報の伝達速度は爆発的に拡大しています。そんな時だからこそ、落ち着いて客観的に考える時間が必要なのです。
相場が動くときは一気に沸騰します。「今買わないと」といった焦りから冷静に判断できない状況で焦って株を購入して高値掴みしてしまうのです。冷静に考えると決していい買い物ではない株式を購入してしまうケースがあるのです。
数日待って冷静に判断してみると株価が急落しているケースなどがあります。株式を購入するときは冷静に判断してみる期間が3日必要だからといった理由から株は3日待てと言われています。
しかしながら、この多角経営はうまくいきませんでした。2000年代初頭は米ITバブルに支えられ、業績は一時的に回復しますが、長続きせず、2003年4月にはソニーショックが起こります。
「ソニーがダメなら日本全体がダメである」といった風潮が日本全体を覆います。2003年の日経平均株価は、20年ぶりに7700円割れとなりました。その後も経営は低迷し、“アイボ”など今日のロボット技術の先駆けというべき事業もリストラすることになります。
投資家など市場関係者にとって「ソニー」という銘柄は特別な響きがありました。日本の成長をけん引し、いわゆるシンボル的な存在でした。株式市場では、「困ったときのソニー」という格言も存在したくらいです。
ただ、筆者としてはソニーの多角経営をむしろ好意的に見ています。というのも今日の日本の凋落の一旦は挑戦を辞めてしまったことに大きな原因があるとみているからです。失敗に対して、厳しい処罰をする風潮になったことで日本全体から活力がなくなったと考えています。
12年4月に、ハワード・ストリンガー氏からCEOを引き継いだ平井一夫氏は事業の選択と集中に舵を切ります。”VAIO”の名で知られたパソコン事業や不動産の売却などのリストラを進めます。リストラによって確保された経営資源を“本業”のエレクトロニクス事業に投入。その結果、半導体事業は収益の柱にまで高めます。
ソニーは現在半導体や映画、プレステ5など様々な分野で花開き、業績は過去最高を記録。2021年3月期の業績について、営業利益は9718億円(前期比15.0%増)、細粒利益は1兆1171億円(同2倍)となり、トヨタ、ホンダ、ソフトバンクに次ぐ、4社目の1兆円企業になります。
リスクを取って、成長させることは並大抵なことではありません。ただし、リスクを取らなければ企業の持続的な成長はありません。変革期であるがゆえに1年2年の短期で判断できずとも長期的な挑戦を怠らない企業が生き残ることは言うまでもありませんが、その見極めは難しくなっています。
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