政治ニュース その1 安倍晋三退任でアベノミクス終幕
政治ニュース その1 安倍晋三退任でアベノミクス終幕
安倍晋三首相は2020年8月、自身の持病である潰瘍性大腸炎の再発を理由に辞任を表明しました。07年の参議院選挙に大敗した後、持病である潰瘍性大腸炎を理由により退任しています。安倍政権は、2019年の10%への消費増税引き上げの失敗から、新型コロナウイルス感染症への対応の失敗、東京オリンピック延期、アベノマスクの配布、GoToトラベルの対応の不手際など国民の不振を受けて、支持率は過去最低水準にまで下がって、政権の維持は限界にまで達していました。
安倍政権の辞任の報道は、2020年8月28日の午後2時過ぎに流れました。辞任の意向を固めるとの報道が伝わると株価は一気に急落し、一時600円を超える下落幅となりました。その後株価は戻し、終値は前日比326円21銭安い2万2882円65銭で取引を終えています。安倍政権の終幕により、事実上アベノミクスの終幕となりました。
第2次安倍政権は、2012年12月から7年8ヶ月続き、叔父の佐藤栄作首相を抜き、戦後歴代1位の在任期間を誇った政権です。政権の持続が難しかった背景には、持病の再発とされますが、相次ぐコロナ対策の後手後手にまわる醜態、最終的には自身のレガシーともされる東京オリンピックの開催の延期と事実上の中止が現実味を帯び、経済政策の失敗が挙げられます。
2020年の4~6月期の実質GDPを金額で見ると、年率換算で485.1兆円にまで落ち込み、2012年末の第2次安倍政権発足前の水準に逆戻りとなりました。日本の2020年4~6月期の年率換算のGDPは、27.6%減と過去に類のない下落幅となっています。しかも、安倍政権になってから、研究開発費などもGDPに換算するようになっているので、実質はもっと悪くなっていると考えられます。
安倍政権が退陣したことにより、アベノミクスは終幕へ向かうことは容易に想像できます。金融緩和はすでに限界近くまで行っていますし、次の政権が過大な金融緩和を持続できるはずもありません。しかも、日銀の黒田総裁の黒田バズーカーのようなインパクトのある政策はすでに打てず、弾は使い切った状態となっています。次の首相が舵取りを誤れば、実体経済は総崩れに終わっていることに加えて、金融市場も総崩れになることが懸念されます。
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