相場事例その8 スカイマークエアバスA380キャンセル事件
相場事例その8 スカイマークエアバスA380キャンセル事件
スカイマークは2014年7月、エアバスから納入予定だった「エアバスA380」6機をキャンセルしたことを受けて、当初7億ドル(約830億円)の違約金を求められ、最終的に250億円で決着しましたが、資金繰りが悪化し、2015年3月1日に上場廃止となりました。最終的にANAの傘下となり、再建を目指すことになりました。2014年1月には東証マザーズから東証1部に市場変更になってからわずか半年で業績の風向きが変わったのです。
スカイマークは1996年、エイチ・アイ・エスの社長である澤田秀雄らの出資により設立された会社です。1986年に日本で始まった規制緩和を受けて、設立された最初の1社でした。1998年に羽田ー福岡便で定期運行がスタートし、長崎航空以来36年ぶりの新規参入となりました。
国内単価は参入当時は格安航空会社として話題を呼んでいましたが、2012年にLCCが日本に就航したことで価格競争力で、押される形で追い込まれていました。一方で、業績自体は絶好調で2014年には東証1部市場変更を果たしていました。
それにしても、なぜ、エアバスは財務に不安のあったスカイマークに6機もの機体を受注契約を結んだのでしょうか?当時日本では、1位のJALと2位のANAの機体の受注をライバルの米ボーイングに奪われ、水をあけられていました。そんな中、リスクを取り、3位だったスカイマークの受注話に乗り、2011年に契約を結ぶのでした。ところが、2014年にお金を支払うことができなくなったことが、違約金の引き金となりましたが、LCCなどの確約航空会社の就航などの影響も出てきていました。
スカイマークを率いてきたのは、西久保愼一氏で、当時はワンマン社長と言われていました。1985年に設立した会社が急成長するなどIT長者になり、100億円程度の資産を得たことを受けて、航空業界に参入を果たしますが、最終的には、「エアバスA380」の受注ミスという1つの経営判断のミスが経営破綻に追い込むことになるのでした。
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