新生銀行・SBIの提案拒否、既得権にしがみつく経営陣

新生銀行・SBIの提案拒否、既得権にしがみつく経営陣

 導入部分

 SBIホールディングスは、新生銀行に対して、敵対的TOBを仕掛け、新生銀行を子会社化する方針。新生銀行側の経営陣はこれを拒否し、ホワイトナイトを募って対抗しますが、SBIホールディングスが募集した1株2000円に対抗するメリットがないため、八方ふさがりとなっています。

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 詳しく解説

 新生銀行は1998年、日本長期信用銀行が経営破綻し、国有化されます。公的資金が3500億円が注入、その後2021年現在で公的資金が完済されていません。ちなみに、都市銀行で公的資金が完済できていないのは、新生銀行のみです。

 新生銀行(旧 日本長期信用銀行)は長期信用銀行という長期資金を求める企業に融資を行う銀行でしたが、1980年代にはすでに借り手がつかず、関連会社のノンバンクを通して、不動産融資が横行します。バブル崩壊以降地価が下落し、不良債権になって経営は末期状態になっていました。

 新生銀行は2000年に行名を変更し、資金調達の手段を金融債から個人預金にシフト。預金者の支持を得るため、ATM無料化を業界で最初に実施します。シティバンク在日代表だった八城政基会長兼社長が主導し、外資流の経営で従来の企業融資を大幅に削減させ、見事上場を果たします。

 しかし、外国人社員が不動産や海外などリスクの高い投融資を加速させたことがあだとなります。2008年にリーマンショックで大きな焦げ付きがでます。

 2010年6月に改正貸金業法が完全施行されると状況はさらに悪化します。銀行は融資量の総量規制で年収の3分の1にまで制限されます。これにより、消費者金融は大きく融資量が減少。日本貸金業協会によると、2010年8月末の消費者(事業者向けを含みます)融資残高は約12兆円(2009年8月末は20兆円)なっています。

 銀行を通じて融資すると年収の3分の1にまで制限される総量規制が撤廃される、魔法の杖を使って、新生銀行は消費者金融に軸足を移します。新生フィナンシャルはこの手法で、買収したノンバンクレイクに総量規制を外した融資があだになります。

 新生銀行の経営陣はこの事実を隠すため、一定期間(1995年10月)以前の取引履歴を一斉消去していたため、過払い金が闇に葬られます。GEコンシューマーファイナンスから「レイク」買収時に、過払いによる損失補填条項をついていたと見られ、裏で過払い金の返金が経営を圧迫していたのです。

 しかも、新生銀行は、過払い金の支払いで大盤振る舞いすることで有名な銀行でした。投資家への説明を怠りながらも、旧経営陣の多くは日本長期信用銀行からのプロパー社員で構成されています。いわば既得権と化しています。ビジネスモデルの転換を図れない中、株価が低迷し続けたところをSBIホールディングスの野望の中に飲み込まれます。

 SBIホールディングスは2021年9月9日、1株当たり2000円で買収を発表します。発表直前の株価(1,440円)の約1.4倍に相当します。これに対して、新生銀行はSBIホールディングス以外に新株を発行するポイズンピルを実施しますが、裁判所はこれを認めない可能性が高いです。

 また、新生銀行の経営陣はホワイトナイトを募るため、ソニーやセブン&アイホールディングスに助けを求めますが、SBIホールディングスが提案した株価以上で買収するメリットがないと、応じてもらえませんでした。

 新生銀行がそもそも、自力でビジネスモデルを築き上げて、公的資金3500億円の返済が出来れいれば、今回の騒動が起こりませんでした。現経営陣は普通に考えれば、退陣する可能性が高いと思われます。

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