相場事例その4 コロナ禍の勝ち組 イー・ギャランティのビジネスモデル
相場事例その4 コロナ禍の勝ち組 イー・ギャランティのビジネスモデル
新型コロナウイルスにより、多くの企業が破綻するなどの惨状に晒される一方で、コロナ不況を糧に業績を伸ばしている企業もあります。イー・ギャランティは、企業の売掛金に信用保証を付けるビジネスモデルで急成長してきました。同社の2021年3月期第1四半期の決算短信によると、緊急事態宣言が発令された影響で5月の法的整理は、1852件(前年同期比8.9%減)となっていますが、足元では支払い遅延の大幅な増加傾向が見られるなど、倒産件数は拡大する傾向にあるとしています。こうした環境下で、新規顧客の保証料率の引き上げるなどの措置を取ったことで、大幅に増収となっているのです。
イー・ギャランティは、コロナウイルスの勝ち組の象徴とされる企業の1社です。2021年3月期第1四半期の決算は、売上高が16億8800万円(前年同期比17.6%増)、営業利益が7億3100万円(同18.7%増)と大幅な増収営業増益となっています。新型コロナウイルスによる影響で保証残高が大幅に増加、第1四半期末時点で4341億円(同8.6%増)と好調な業績を支える源泉となっています。
また、伊藤忠商事の持ち分適用会社にも入っており、経営基盤は盤石です。今後、秋口以降、第2波、第3波が来ると言われており、信用不安は本格的に到来すると考えられます。その不安を解消させるため、保証を付けようとする経営者は大幅に増えると予想されます。さらに、リスクを取りたくない銀行が、自行による単独の貸出(プロパー)を控えることが考えられます。こうした銀行のスタンスを取り込み、業績を拡大していくことが考えられます。リスクを取れない銀行のリスク部分を取り込むことで、社会に貢献できているのです。株価はそれを表しているのかもしれません。
イー・ギャランティは足元で株価も堅調に推移しています。2020年8月21日時点で、株価は2226円と3月17日時点の年初来安値の1150円と比べて、2倍の水準にあります。

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