スバル、トヨタと業務提携で進む一強

スバル、トヨタと業務提携で進む一強

 導入部分

 スバルは2019年9月、トヨタ自動車と資本業務提携をすると発表しました。トヨタグループ入りで、残る独立系の自動車会社はホンダのにとなります。トヨタ自動車の一強下で中国やテスラなどの巨大なEV企業に挑むことになります。

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 詳しく解説

 スバルとトヨタ自動車との提携の背景には、日本の市場縮小への危機感があります。人口縮小で国内で少ないイスを取り合うのは非常に厳しい状況になっています。そのため、国内でなく海外を主戦場にしないと生き残るのが難しいのが実情となっています。

 ところが、日本のガソリン車の技術は地球温暖化への対応から、EV車や水素燃料車へのシフトが進んでいます。自動車会社各社は、電動化や自動運転などCASE(ケース)と呼ばれる次世代技術への対応が迫られています。研究開発費はガソリン車の2倍になる研究開発費を迫られ、主要7社が計画する2020年3月期の研究開発費は3兆円を超えます。

 イーロンマスク氏が率いるテスラが2020年1月時点で時価総額は1050億ドル(約11兆5500億円)を超え、VWの時価総額を抜いています。その後2021年6月には時価総額で80兆円越えとなり、時価総額30兆円のトヨタ自動車の2.6倍強となっています。ちなみに時価総額では日本の全自動車メーカーの時価総額を足し合わせてもテスラの半分足らずです。(2021年6月時点)

 世界の主流は脱炭素です。日本のガソリン自動車はその世界の波に飲まれようとしています。この流れに立ち向かうには1社単体で立ち向かうには限界があります。どんなに束になってかかっても、イーロンマスク氏のような1億人に1人の天才に立ち向かうには限界があります。

 彼は、スペースXという宇宙事業を主でやっており、EV事業は副業的にやっているのに過ぎないのです。そんな彼の野望は、2050年までに100万人の火星移住計画をミッションに事業展開をしています。日本の経営者の中に彼と真正面で戦える経営者がどれだけいるでしょうか。カリスマ経営者を前にサラリーマン経営者では対抗するのはほぼ不可能です。

 ゆえに主要な自動車会社各社はトヨタ自動車の傘下に入り、自動車開発をともにする道を歩むのです。トヨタと提携し、EV車などのプラットフォームの共通開発を進めることは経営判断としては確かに英断です。但し、スピード感でテスラの足元にも及ばないばかりか、今後中国勢とも戦うことになります。スバルの提携は日本の自動車業界が岐路に立たされていることを表していると言えそうです。

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