相場事例その20 シャープ 液晶事業失敗で台湾企業に身売り

相場事例その20 シャープ 液晶事業失敗で台湾企業に身売り

 導入部分

 窮地に陥ったシャープは2016年2月、鴻海精密工業の傘下に入ることを決断します。鴻海精密工業は6500億円の出資し、シャープの主力事業を再建します。銀行が保有する1000億円分の優先株を鴻海が買取り、残額の1000億円は銀行が保有することとなりました。この経営悪化によって債務超過に陥ったシャープは、日経225から外れ、東証2部に市場変更することとなりました。

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 詳しく解説

 シャープの主力事業は、液晶テレビ事業の一本足打法です。特に2004年に完成した亀山工場(三重県亀山市)を世界の亀山工場として世界中に展開していました。亀山工場は2002年のITバブル崩壊の折に、三重県が135億円の補助金を支払い誘致したことがきっかけで始まります。当時液晶パネルの技術はほぼシャープが独占しており、多くの利益を得ていました。液晶テレビ「アクオス」の生産拠点として機能し、翌2005年には100万台の販売台数に乗せます。

 シャープは1998年、町田勝彦社長(当時)が「ブラウン管テレビをすべて液晶テレビに置き換える」と宣言。その後、液晶テレビ「アクオス」で国内首位を獲得します。2008年3月期には、売上高3兆4177億円、営業利益1836億円、最終利益は1019億円を売上高で過去最高を記録します。

 しかしながら、フリーキャッシュフロー(FCF)は、2007年以降継続的にマイナスを記録することになります。つまり、損益計算書上は黒字を記録していたものの、現金はどんどん出ていったのです。なお、フリーキャッシュフロー本業の事業(営業キャッシュフロー)から設備投資などの(投資キャッシュフロー)を差し引いた場合の実質的な現金収支を指します。この指標がマイナスだと、黒字であっても現金収支はマイナスであることを示します。

 しかも上記の表をみて分かる通り、2012年3月期には、最終損益が3060億円の赤字、FCFが3028億円の赤字を記録することになります。ここで6000億円規模の現金の流出を招くことになり、急激に財務が悪化することになります。この頃から、外部資本の救済が入ることになります。

 まず、赤字の元凶となっている大阪・堺工場の株式約40%を鴻海のオーナー経営者である郭台銘(テリー・ゴウ)会長に660億円で売却済み。シャープ本体にも約10%の出資をする形で経営参画もおこなっていくのです。

 一方でシャープは、マーケティング戦略を誤るのです。2000年代シャープは、液晶テレビ「アクオス」などで、業績を伸ばし、1流ブランドに躍進します。但し、シャープは技術に自信を深め、液晶事業に傾聴しすぎるのです。一方でアジアでは確かに液晶需要はあったのですが、多くの消費者は、品質ではなく如何に安く買えるかに注目していました。この時、韓国のサムスンなどはマーケティング戦略で成功したと言われています。ここにシャープの転落がすでに始まっていたのです。

 シャープは2016年に鴻海精密工業の傘下に入り、再建を目指すことになります。シャープは、2016年3月期の決算で、最終損益で2559億円の赤字を記録し、期末時点(2016年3月末時点)の純資産は312億円のマイナスとなるなど、債務超過に陥り、東証2部に市場変更となります。

 シャープには、鴻海精密工業の戴正呉副総裁が新社長に就任し、業績の回復を目指すことになります。その後、鴻海精密工業の販売網を活用し、業績を回復させることに成功させるのです。

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