相場事例その17 タカタの破綻を見る、トヨタと明暗を分けた違いは?

相場事例その17 タカタの破綻を見る、トヨタと明暗を分けた違いは?

 導入部分

 エアバッグの製造販売を手掛けるタカタは2017年6月、巨額のリコールを巡り民事再生法を申請しました。米国などでエアバッグの異常破裂問題を起こし、製造業では戦後最大となる1兆円の破綻となりました。エアバッグの製造で世界最大規模のシェアを持っていた企業の破綻劇は、自動車業界を震撼させました。

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 詳しく解説

 

 タカタは元々エアバッグやチャイルドシートの製造・販売を手掛けており、2011年3月期には世界のシェアの2割を占めるまでに成長していました。タカタは株式の約6割を創業家一族で保有するオーナー企業でしたが、優良経営を続けていたため、銀行からの借り入れも少なく、順風満帆な経営環境でした。エアバッグを製造するきっかけになったのは、1987年にホンダからの相談でした。その時からエアバッグの製造を開始し、世界有数のシェアを占めるまでに成長するのです。

 タカタのエアバッグの最初の異常が確認されたのは2004年。2008年に初のリコールが実施されるも対応は後手後手に回っていました。リコール台数は1億台を超えるなど自動車業界全体を巻き込む事態にまで発展。その結果、2014年11月に米上院商業科学運輸委員会が公聴会を開催し、タカタの幹部を厳しく追求しました。

 この公聴会での対応がタカタの明暗を大きく変えることになります。公聴会に出席したのが社長の高田重久氏ではなく、タカタの品質管理を担当する清水博シニアバイスプレジデントが対応したことでした。専門家が対応するほうが、正しい回答はできるとの判断でしたが、創業家の出席がなかったことで、公聴会ではタカタを擁護する動きはあったものの、米国民の厳しい目に晒されることになります。

 一方で、トヨタ自動車も2009年にリコール問題が発生し、全米を揺るがす大問題となり、2010年に公聴会が開催されました。この時、豊田章男社長が英語のスピーチ原稿を入念に用意し、自らの言葉で米国民に語りかけました。このスピーチは全米中に放送され、米国の消費者の心を掴むことに成功するのでした。ここにタカタとの違いが如実に出ます。

 元々自動車部品会社は、不具合があっても自動車会社より目立つことを良しとしない慣習がありました。仮に不具合があったと大々的に発表すると、余裕があるものと受け取られ、受注価格の引き下げに合うということも懸念されたからです。

 最終的にスポンサーとなった、中国系のキー・セイフティー・システムズ(KSS)に約1750億円で譲渡されることになります。この問題は自動車会社がタカタの負債を事実上肩代わりすることになると業績に悪影響が及ぶとの懸念から、長らく倒産させず放置したこともここまで大規模になったことの一因となっています。

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