相場事例その11 ヤフー アスクル敵対的TOB騒動

相場事例その11 ヤフー アスクル敵対的TOB騒動

 導入部分

 ヤフー(現Zホールディングス)は、2019年7月にアスクルの個人向け通販「LOHACO」事業を巡り、アスクル側の経営陣と対立し、敵対的買収(TOB)を仕掛けました。ヤフーは2012年にアスクルと業務・資本提携契約を結び、アスクル株式の42.47%(2019年7月時点は約45%)を取得していました。このときアスクルが立ち上げた「LOHACO」の譲渡をヤフーが迫ったことに対して、アスクル経営陣が拒否の姿勢を示しましたが、最終的にヤフーの圧倒的な資金力でTOBは成立しました。

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 詳しく解説

 アスクル側は、2019年1月にヤフーから「LOHACO」事業の譲渡の要請を受けていましたが、要請に応じず、業務・資本提携契約の解消を申し入れたそうです。ただし、ヤフーはアスクルの4割の株式を保有する筆頭株主で、ほぼ実質的な子会社に近い状態にありました。その状況で、親会社の要請に反対した、岩田彰一郎社長(当時)は、子供の主張だと言わざるを得ません。

 確かに、ヤフーも強引な手法で事業譲渡を迫った側面はありますが、筆頭株主の意見に逆らうのは経営者としてよくはありません。しかも「LOHACO」事業は、赤字事業だと言われています。ヤフーに配置して、初めて収益が見込める話です。

 敵対的TOBは、基本的に最も成功率が低い買収案件です。買収をしようにも買収先の従業員などの賛同を得られないと一般的には言われています。ただし、30%を超える筆頭株主が仕掛ける場合は、話が変わってきます。今回のヤフーがまさにその典型例です。市場では、買収開始時にやはりどちらの勢力が強いかを見ます。ヤフーの場合、資金が潤沢にあり、10%を集めるだけで成立してしまう案件でした。このような力関係にある場合、基本的には簡単に成立してしまうのです。

 一方でヤフー側にも買収を急ぐ事情がありました。2020年3月期について、ヤフー側には目立った増益要因がなく、経営陣は親会社のソフトバンクグループから、突き上げられていました。成果を上げることが出来なければ、孫正義氏の一言で退任は簡単に成立してしまうからです。焦っていたヤフーの経営陣は、強硬手段(敵対的TOB)に打って出たのでした。

 最終的にアスクルの岩田彰一郎社長の事実上の解任にまで踏み込み解任請求は成立しました。ヤフーは、急成長する楽天やメルカリなどとの競争が激化しており、「LOHACO」事業の主要顧客である女性層の取り込みを図りたかったことも背景にあるようです。

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