相場事例その1 施工不良で経営悪化のレオパレス21
相場事例その1 施工不良で経営悪化のレオパレス21
導入部分
施工不良で倒産秒読みのレオパレス21。同社は、2018年5月にガイヤの夜明けで、屋根裏に界壁がない違法建築ぶりが映像で鮮明に報道されました。その1年後の、2019年2月に再度ガイアの夜明けで、当初会社が公表していた以上の施工不良が存在していたことが暴露されました。これにより不正発覚前の2018年1月時点の株価は1000円ありましたが、2020年8月18日現在で168円に沈んでいます。
詳しく解説
レオパレス21の事業モデルの特徴は、「サブリース」です。正式には「一括借り上げ方式」と呼ばれる手法です。レオパレス21が賃貸住宅を建てそのままレオパレス21が一括で建物全体を買い上げます。その後、入居者の入居の如何を問わず、一定の賃料をオーナーに支払うシステムです。
オーナー側からすると余っている土地を有効活用でき、毎月安定的な賃料が入ります。レオパレス側からすると、自社で土地や建物を購入する必要がなくなるので、ローリスクの運営ができのです。リーマンショック以降サブリースの比重が高まり、40%から80%まで高まり業態が変わったのです。
そんな中、入居者が減った状態でも、オーナーには賃料を支払う金額が上回る「逆ザヤ」が常態化し、経営が窮地に追い込まれていく中で、オーナーから借り上げた土地に建物を建てる際、経費を抑えるため、不正建築が常態化していったのです。

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「私はこれまで数々のビジネススクールや企業研修で会計分野の講師を務めてきました。会計を『大局的に・楽しく』学んでもらうのはとても難しい作業ですが、講義で『歴史』をもちいる手法はかなり効果的でした。会計ルールの誕生エピソードや人物秘話を少々大げさな講談調で語ると、受講者たちが身を乗り出してきます。本書はそんな経験をもとにしています。