三陽商会、バーバリーに契約切られ事業迷走
三陽商会は、かつて英ブランドバーバリーと1965年の輸入販売開始以来、約半世紀にわたって密接な関係を維持してきました。その契約は2015年夏をもって契約を終了。終了の大きな要因として、バーバリー本社がスペインで直営店に切り替えたことによる成功が大きいそうです。直営店にすると販売単価を引き上げることが出来るからです。ではなぜ三陽商会は、バーバリー1本に事業が偏ってしまったのかについて解説していきます。
三陽商会はバーバリーと半世紀以上に渡り良好な関係を築いてきました。三陽商会が高度経済成長期に日本各地にバーバリーブランドを根づかせた実績を評価してもらった影響が大きかったようです。そのため、日本では大衆に親しまれたイメージがあります。一方で、イギリスではラグジュアリーブランドとして、高級路線を追求しています。日本ではイギリス本国の半額程度で販売されている、ブランドも多数あり、バーバリー側からすると目の上のたんこぶになっていました。
やはり、一番の問題はバーバリー以外のブランドの育成が出来なかった三陽商会に大きな問題があります。新規ブランド契約を急ぎ、「マッキントッシュロンドン」や「ポールスチュアート」などと販売体制を築いています。但し、寅の子だったバーバリーブランドを補うのには至らず、リストラを4回実施しています。時系列を見ると、2016年6月に249名、2018年に247名、2020年10月に500名の希望退職者を募集しています。また2020年のコロナ禍による業績悪化により、160店舗を閉鎖させています。2010年時点の従業員数と比べると実に1000名以上が会社を去ったことになり、ブランド喪失により会社は迷走しているようです。
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