中国政府、IT企業統制によるチャイナリスク

中国政府、IT企業統制によるチャイナリスク

 導入部分

 トランプ政権から続く米中対立の激化で中国政府が、IT企業に統制を強化しています。特に中国政府は、米国への情報流出を懸念し、アリババグループや配車サービス大手・滴滴出行(ディディ)などへの規制が強まっており、チャイナリスクが高まりをみせています。

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 詳しく解説

 中国政府は、米国への株式公開を果たしている、IT企業への警戒感を高めています。米国への株式公開を果たす上で、中国のIT企業のデータが米国に流出することを警戒されています。

 米ウォールストリートジャーナル紙によると、中国の規制当局は、ディディが米国市場に上場する数週間前の段階で、新規株式公開(IPO)を延期して、ネットワークの安全性について社内で入念な調査を実施すべき、との方針を同社に伝えていたと伝えられています。ただ、中国当局がIPO中止を命じるまでには踏み込まなかったことで、2021年6月末に滴滴が米国市場に上場を決行します。

 ニューヨーク市場で6月30日から滴滴の株取引が始まった、わずか数日後の7月2日に、中国当局はディディに対するサイバーセキュリティー審査を開始。新規ユーザーの受け付けを禁止、さらに4日にはアプリ配信ストアから滴滴のアプリを排除し、ダウンロードを禁止するよう命じています。

 中国当局の規制・統制強化は、他の業界にも及び始めています。小中学生向け学習塾を非営利団体化することや、ゲームアプリへの規制など中国政府による締め付けが多方面に及びます。米国と中国の2大経済圏のデカップリング(切り離し)が世界経済の行方を大きく変えます。

 現状での中国政府による、IT企業などへの統制は中国の株価などへ急落をもたらしています。筆者は、情報統制は短期的には中国からの資金引き上げを意味し、チャイナリスクを高めます。ただし、長期的には米国陣営と中国陣営の2つの対立軸が生まれます。日本は現在米国寄りの中立を維持していますが、米国陣営に入るとみています。

 中国からの資金流出が続けば、中国国有企業の倒産などが顕著化しますが、製造業のGDPに占める割合は4割と堅強。一方で、GDPに占める輸出比率は、2006年の 35%が2019年には17%に半減しており、外国に頼らなくても国内だけで経済が回せる体制が整いつつあります。

 中国国内は豊富な富裕層と14億人という人口が外国に依存する経済関係を遮断しても大丈夫だという自信を深めています。一方で米国は世界の金融システムを持っています。その米国が中国に対して、底力を見せないはずはありません。トランプ政権からバイデン政権に変わったことで、欧州を巻き込んだ多国間協調を見せています。多国間協調により中国包囲網が形成されるのか、第3次世界大戦前の陣営固めになるについては、今後の動向が気になるところです。

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