経済講義 その11 公務員のリストラってあるの?
経済講義 その11 公務員のリストラってあるの?
かつては公務員は安定している職業でした。公務員試験に合格して、市役所や警察、県庁などに入庁することが安定の象徴でした。ところがコロナ禍で、地方公共団体の貯金にあたる財政調整基金が底を尽き、財政破綻に転落する危機に瀕する団体が増えてきています。
コロナ禍で、財政調整基金を取り崩す地方自治体が増加しています。コロナで地元企業の業績が悪化し、法人市民税を筆頭に税収が大幅に落ち込んでいるのです。
神奈川県では1100億円の予算不足が判明するなど、予算不足が深刻化、県主催のイベントの自粛や不急の建設事業の中止や延期を余儀なくされているのです。その中でも京都市はコロナ前から慢性的な財政悪化が深刻だったのです。2019年度は、財政調整基金39億円を取り崩し、それでもなお不足する財源を、「特別の財源対策」と呼ばれる“禁じ手”を駆使して84億円をねん出していました。
こうして急激に財政悪化していることを背景に、財政健全化を急ぐ動きが急激に高まると予想されます。埼玉県新座市では、2020年10月に自制非常事態宣言を発出し、公共事業や市民サービスを大幅にカットする事態に陥っています。
コロナにより、税収が下がることが慢性化することで、急激に市民サービスを制限することが多くなっています。官公庁から建設工事などを請け負っている業者などの業績も急激に悪化し、給料が減額→それによりさらに税収が減少する負のスパイラルに陥っていくことが懸念されます。
また、本格化する大企業のリストラなどにより、住民税は前年度課税であるため、2021年度以降からリストラや給与カットにより収入が減少した影響が、急激に影響しだすことが懸念されます。この結果、多くの自治体で財政破綻懸念が高まります。
こうなるといよいよ公務員の人員カットが本格化します。ワードやエクセルなどの基本的なソフトすら使えない公務員の削減が本格化しそうです。公務員をカットするときは、分限処分と言われる方法で、実は適性がないといった形で削減が可能なのです。40代以上のスキルの乏しく、高コスト体質の公務員のカットが今後知事や市長などの大きな課題になります。
20年ぐらい前には民間の大企業で始まった話ですが、いよいよ公務員にも人員削減の波が訪れようとしています。市が財政破綻するか、市長が聖域に手を付けられるかは今後口火を切りそうです。
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