東京電力、顧客放置で消えゆく営業基盤

東京電力、顧客放置で消えゆく営業基盤

 導入部分

 2011年以前は一流企業の代名詞だった東京電力が顧客離れが深刻化しています。原発の廃炉作業が遅れる中、顧客サービスがずさんになっています。収益の大部分を廃炉作業へ振り向ける一方で、2016年の電力自由化の影響で顧客基盤を急速に失っていくのです。

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 詳しく解説

 東京電力は電力自由化が始まった2016年以降急速に顧客基盤を失っています。まず、自由化が始まった4月に東京ガスに300万人の顧客基盤を奪われています。公開されている東電の最新の資料(2014年)によると、東電管内での総人口が4484万人に対して、2923万人となっています。

 2021年時点で、多くの顧客基盤の流出が始まっています。2021年3月期の東京電力の業績について、売上高は5兆8868億円(前期比6%減)、営業利益は1432億円(同32.3%減)、最終利益は1808億円(同3.5倍)となっています。営業利益ベースで大幅な収益悪化を招いています。

 福島の原子力発電所の事故以降、東京電力の営業区域の原子力発電所の再稼働は一切できていません。そのため電力の発電コストが膨らみ、収益が悪化していると言われています。頼みの綱の新潟県の柏崎柏発電所では、終了したと発表した安全対策工事の一部未完了が発覚。ずさんな管理体制が発覚したことにより、1年間の再稼働の議論が凍結されています。

 また、近年東京電力HDの子会社で業績不振の東京電力エナジーパートナー(EP)の売却話も出始めています。東京電力の解体ショーへ向け経営陣が秘密裏に売却を検討しているのです。東京電力は福島第一原発の廃炉作業などに少なくとも21.5兆円の費用の捻出が迫られています。

 さらに、東京電力子会社で、再生可能エネルギー事業を担う東京電力リニューアブルパワー(RP)の売却話が持ち上がっています。東京電力RPは脱炭素ブームで注目されている再生可能エネルギーを手掛ける、東電の虎の子の事業です。東京電力RPの2021年3月期の決算は、481億円の経常利益をたたき出しています。

 東京電力の主力事業の切り離しは、タコの足の切り落としのようなものです。足をすべて切り離すときまでに更なる顧客基盤を失っている可能性があります。

 しかも、それ以上に問題なのは、東京電力の社員に危機意識が乏しいことです。報道によると「顧客の流出に無関心である」と伝わっています。危機意識がない死んだ社員がいかにして、今の状況を理解出来れているかに東電の命運がかかっていると言えそうです。

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